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江戸手描提灯
優しい灯に浮かぶいなせな江戸文字が祭りに華を添える
東京の下町といえば祭り。そこに欠かせないのが、粋な江戸提灯です。隆々と文字が描かれた温もりのある灯が、祭りの気分を盛り上げます。江戸時代後期から明治にかけて提灯作りは、本体を作る「張る」と和紙に筆入れする「描く」が分業化され、東京の職人は絵柄や文字を描くことに専念するようになりました。文字は「江戸文字」と呼ばれる書体が選ばれ、鉛筆で下書きをした後に縁を描き、中を塗り込んでいきます。灯を入れると白い部分が前に出てしまい、黒く塗った部分が細く見えるため、職人いわく、文字は太めに描くのがポイント。いなせな提灯の佇まいが、下町情緒に華を添えます。
江戸押絵羽子板
小さな板の舞台で見得を切る役者芸妓の艶姿
年の瀬の風物詩として名高い、台東区の浅草寺境内で開かれる羽子板市。ここに華やかな押絵羽子板が登場したのは、江戸時代中頃のことです。当時娯楽の筆頭格だった歌舞伎の人気にあやかり、役者の舞台姿をかたどった羽子板を並べたところ、贔屓役者の板を競って買い求める庶民で市が大いに賑わったといいます。円熟した江戸文化から生まれた、押絵羽子板。その魅力は、鮮やかな色使いと立体感にあります。型紙に綿を乗せて布地でくるんだ小さなピースを糊付けして仕上げた面相には表情がいきいきと浮かび上がり、躍動感ある世界が凝縮されています。一枚飾るだけで室内が華やぐ、庶民の工芸品です。
江戸切子 木本硝子
漆黒の闇とその隙間からあふれる光のきらめき
透明な硝子に色ガラスを薄くかぶせ、大胆で深いカットを施す江戸切子。二層からなる硝子を削ることで、麻の葉や菊花、七宝など美しい和の模様が浮かび上がります。その歴史は古く、江戸時代初期から庶民の器として親しまれてきました。特に高い技術が必要とされるのが、黒の江戸切子。黒色のため削っている部分が見えず、カッティングは切子職人が長年培った技術と指先の勘が頼りです。江戸切子の概念に固執することなく、現代の生活に合った革新的なグラスを作ろうという職人の挑戦によって生まれました。
江戸扇子工房まつ井
ピシっと揃った美しい折り目で所作も優美に
きらびやかな京扇子に比べ、色味を抑えたすっきりとしたデザインが特徴の江戸扇子。折幅が広く、骨の数は15~18本と必要最小限です。シャキッと折り畳んだときの美しさ、閉じるときに鳴るパチンという音――。質素倹約を旨としていた江戸の武家文化を体現するかのような、”粋”な佇まいです。すべて手仕事で作られる江戸扇子は、約30の工程を経て完成します。和紙と竹は天然素材ゆえに扱いが難しいのですが、職人の長年の知恵と技術によってひとつひとつ丁寧に仕上げていきます。
東京銀器 日伸貴金属
黄金の輝きよりも渋い上品な光沢「いぶし銀」の粋
銀の産出量が急増した江戸時代。銀を扱う鋳造所は江戸に制限され、全国から銀器職人「銀師」が集まり鍛金・彫金の技術が磨かれました。銀は金属の中でも可視光線反射率が高く、優美な光沢が魅力。一方、薬品をつけ黒く仕上げる加工法もあります。いわゆる「いぶし銀」は、黄金の輝きよりも控えめな鈍い輝きに美しさを見出す江戸の人々に好まれました。熱伝導率が高く、清涼感やぬくもりを感じやすい銀器は、人を魅了してやみません。
江戸風鈴 篠原風鈴本舗
そよ風が奏でる軽やかな音色が江戸の夏に涼を運ぶ
ジリジリと蒸し暑い東京の夏。軒先や窓辺に吊るされた江戸風鈴のチリンチリンという音が、耳を涼ませてくれます。ガラス製の江戸風鈴は、軽やかな音色が特色。その音の秘密は、鳴り口の成形にあります。宙吹きで膨らませたガラスを切り、あえてギザギザに仕上げることで、ガラス棒が縁に触れるだけで心地よい音が鳴るようになります。絵は、ガラスの内部から手描きで描かれます。風の吹かない日も、透明なガラスと色鮮やかな絵を見ると、爽やかな気分を感じることができます。
東京くみひも 福島商店
帯締めにかんざし江戸の粋は細部に宿る
しなやかで結びやすく、一度結ぶと決してゆるまず型くずれしない。江戸組紐の高度な技術は、江戸時代、職人が武士たちの要望に応える中で発展していったといわれています。幕府により華美な衣装を禁じられた武士たちは、組紐で作られた刀の下緒など細部にこだわり、センスを競いました。江戸組紐の特徴である落ち着いた色合いには、当時の伊達男の渋好みがよく表れています。軽さと丈夫さを両立させるため、素材は今も昔も絹100%。絹糸を染色し、組代で一本ずつ組む工程も変わることなく、日々の装いに大人の気品を添えてくれます。
江戸木版画 東京伝統木版画
モネやゴッホに衝撃を与えた江戸芸術を現代に
江戸の多色摺り浮世絵版画は、ヨーロッパの美術に大きな変革をもたらした「ジャポニズム」において、特に広い影響を与えた作品です。江戸時代後期に技術面において最盛期を迎えます。当時の人々は、浮世絵を通じて旬のニュースや旅の情報を得ており、庶民の娯楽の一部にもなっていました。歌川広重晩年の超大作「名所江戸百景」の完全復刻には約7年の歳月を要しました。江戸時代と変わらぬ分業制で、江戸情緒を緻密に表現。ぼかしの形が版に彫られていない部分も多く、熟練の摺師の腕が光ります。
東京本手染拭 東京和晒
にじみやぼかしから移ろいゆく季節の機微が香り立つ
黄色からオレンジへ、秋の深まりを感じさせる紅葉の表現において、染め職人がこだわるのが色と色との境目。右手にオレンジ、左手に黄色の染料を持ち、2色同時に注いで、微妙な手加減で美しい濃淡を出します。こうした伝統技法によって生まれるにじみやぼかしが、機械染めにはない独特の味わいを醸し出します。プリントと違い裏もしっかり染まるので、裏表なく使用できるのが特徴。乾きやすく、使うほどに手触りがよくなることから、今また改めてその実用性の高さが注目されています。
江戸硝子
炎熱の炉から生まれた姿と色に和の情緒が映る
江戸時代から続く、ヨーロッパ伝来の技法による江戸硝子の歴史。東京の地場産業として長い歴史を誇り、透明度と高い加工技術で知られています。2014 年には、国から伝統的工芸品として指定を受けました。ガラス職人は調合した原料を1,400 度の炉で溶かすと棹(さお)で巻き取り、ガラスの炎熱に耐えつつ、宙吹き成形、押し型成形、伸ばし成形などの技法で一気に作り上げていきます。機械物と一線を画す優美な形、和の情緒が漂う色あいが、見る人の感性を刺激します。近年は若手職人がデザイン性の高い製品を発表しており、工芸品としての地位がさらに増して高まっています。