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ビジネスの
贈り物テクニック

気を遣いすぎて、かえってありきたりになることも多いビジネスギフト。
贈り物の達人は、どんな点に気を付けているでしょう?その極意を伺いました。

大人数の職場に贈り物をする際、全員に行き渡るか「数」が気になりますよね。もちろん足りるに越したことはありませんが、それより大切なのは「あげるべき人にあげられること」。直接やり取りをしていた方々にさえきちんと行き渡れば十分ですから、数ばかりにこだわる必要はありません。

それより、「日持ち」にご注意を!出張や打ち合わせで担当者さんがしばらくご不在…なんてビジネスシーンではよくあること。最低1週間は持つものだと安心ですね。

心配な時は「足りました?」と素直に 聞いて、次へのヒントに活かしてみて。

会社から個人の方への贈り物を選ぶ場合は、職場と自宅、それぞれで使えるものをセットでお贈りするのも手です。その際、周りのからの反応を想像して選ぶのがコツ!

たとえば栄転のお祝いなら、ちょっと高級なお酒などを“転移先”におくり、「こういうのをもらえる人が来るんだ」と周囲に印象付ける。ご自宅用には何か「ほっとできるもの」を。紅茶やお茶づけなど、年齢を選ばず調理の手間がないものだと、ご家族も一緒に楽しんでいただけるでしょう。

相手のイニシャルを名入れすれば、よりプレミア感のある贈り物に。

「場所にまつわるアイテムを選ぶ」というのも、私がよく使う方法です。自社の創立地やオフィスのある街に由来するものをお贈りするのは定番ですし、ご自身の地元の名物でもいいでしょう。相手の印象に残りますから、営業ツールとしても有効ですね。

相手のオフィスの近くで手土産を選ぶのはNGとされることも多いですが、例外なのは移転祝い。「近くにこんな有名店があるんですよ」といったプチ情報としてお渡しすれば、いただく方もうれしいものです。

お渡しする際には場所にちなんだ「理由」も伝え、話題づくりを。

ギフトラッピングは技の見せどころ。手土産そのものや包装紙の色を選べる場合は、積極的に相手のコーポレートカラーを選びます。コーポレートカラーとは、企業のロゴなどに使われているテーマ色。相手の色を選ぶことで、「ちゃんと自分たちのことを考えてくれている」という特別な印象を持っていただけます。

お菓子にコーポレートカラーの紙ナプキンを添えたり、リボンやカードの色で演出したり。グリーン系の会社には、観葉植物なども素敵ですね。

はじめましてのご挨拶には、自社のカラーで印象付けても。

実際に贈り物をお渡しする際、かならずやってほしいのが「贈り物の理由をきちんと伝える」ことです。物をいただくだけでもうれしいですが、なぜくださったのか、その理由や気持ちを言葉で伝えてもらうことによって、贈り物はより特別なものになります。

ビジネスとはいえ、基本にあるのは人と人との関係。マナーは大切ですが、かしこまった定型文の手紙が入っているよりも、手書きで一言「ありがとうございました」。それだけで、ぐっと印象が変わります。

贈る数が多いなど手書き難しい時は無理せずに。後からお電話を入れても効果的です。

お詫びの品をお渡しする…何よりも気を遣うシチュエーションですよね。気を付けたいのは「タイミング」。絶対に、いきなり品を渡さないように!「物で許してもらおうと思っているのか」と取られかねません。

ベストなのは、一連の謝罪が終わり、相手との関係が落ち着いてから。「これからもよろしくお願いします」の意味を込めてお渡しします。崖っぷちにいる時ほど、人との絆は強くなるもの。ギフトを味方につけて、相手との新たな関係づくりに役立ててください。

あまり高価すぎる品は、かえって印象を悪くする場合も。謝罪内容に見合った物選びを。

贈り物を味方につけて、
ビジネスを「次」につなげよう

ビジネスギフトは、「今までありがとう、ではさようなら」と“ 締め”で贈るものではありません。常に次につながる贈り方をする、ある意味で戦略的な側面も。物のやり取りの奥にある気遣いやコミュニケーションが、ビジネスのつながりを深めるのです。このギフトがどう飛躍するだろう、そんな視点を持って、楽しみながら選んでください。
鈴木聡子さん
大手企業・ベンチャー企業などの営業・秘書・広報の経験から身につけた贈り物テクニックが注目を集める"スーパー広報"。著書に『ビジネスで成功する手みやげ術』(講談社)。一般的なマナー本とは一線を画す独創的アイデアの数々は必読!
 

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