古くから受け継がれてきた、日本の贈答文化。その裏側を読み解くと、
現代のビジネスにも活かせるヒントやアイデアが隠れていました。
日ごろの感謝を
忘れずお伝えするために
一年で最も贈答が盛り上がるのは、何と言ってもお歳暮・お中元。
お歳暮は将軍や天皇への美物献上、お中元は中国の道教思想に由来するお供えがルーツと言われ、時代の変遷の中で現在のようなギフト習慣へと変化していきました。
日頃の感謝を贈り物に託して定期的にお伝えする。
日本人の心配りが育んだこの機会を、ビジネスにおいても大切にしていきたいものです。
どちらか一回にする場合は
「お歳暮」を。
お歳暮とお中元は必ずしもセットで贈る必要はありません。1回にまとめるなら、「1年の締めくくり」として少し高価なお歳暮を。
ビジネスならではの
新たなギフト習慣を創る
お歳暮やお中元文化が受け継がれる一方で、最近では受け取りを辞退される企業や、こうした習慣を持たない外資系企業も増えています。
そんな時は、贈り先となる企業の創立記念日や取引が結ばれた日など、独自の「贈り物タイミング」を設けてみるのも新鮮です。
大切なのは習慣を守ることよりも感謝を伝えること。柔軟な発想で新しい贈り物文化を楽しんでいきましょう。
オリジナルなギフトイベントは
会社のPRにも。
会社独自のギフトイベントは、PRや営業訪問のきっかけにも。ビジネスチャンスを広げるためにも活用したいアイデアです。
「共に頂く」ことから
生まれる信頼と連帯感
「美物」とは、「おいしいもの」という意味。日本では食べ物がギフトの定番ですが、実はこれ、海外ではあまり一般的ではない日本独特の文化だとか。諸説ありますが、その背景には食べ物を「共に頂く」という気持ちや、珍しいものを「共有する」という精神があると考えられています。
一緒に働く人と、おいしいものを一緒に頂く。そうすることで、互いの連帯感が自然と強まる。「美物ギフト」には、そんな隠れた力もあるのです。
食べ物ギフトは
「地域性」にもこだわりを
食べ物ギフトを選ぶなら、地元ならではの特産物や銘菓がおすすめ。珍しい食材や他では買えない人気菓子は、頂く側にとっても新たな発見となり喜ばれます。
手土産ひとつで
深まるつながり
お得意様や取引先に訪問する際、「手ぶらはちょっと」と気にしてしまうのは日本人ならでは。
逆に手土産がひとつあるだけで、こちらの気遣いが相手に伝わったり、場の会話がより盛り上がったりすることがあります。相手に喜んでもらおうとする心から差し上げる、ちょっとした手土産の数々。
それらは時として思いがけないビジネスツールとなり、仕事上の円満なコミュニケーションづくりを大いに手助けしてくれるでしょう。
「理由」のある手土産で
印象に残る訪問に
なんとなく選んだ手土産よりも、選んだ理由を伝えられる手土産のほうがその後の会話を盛り上げます。季節や場所をヒントに、ぜひ話題性のある手土産選びを。