様々な業界で日々ビジネスギフトをご活用されている方々に、
思い出に残るエピソードや選び方のコツを教えていただきました。
大成建設株式会社 管理本部 財務部
資金室 伊藤敬史さん
数年前まで、発電所の建設で中国に赴任していました。都会とは違って物が手に入りにくい地域だったので、一時帰国の際には必ず「日本製」のお土産を用意。やはり質が良いので、特にデジカメを贈ったときは現場で重宝されました。
国内業務では竣工祝いなどを用意することもありますが、会社から会社に差し上げるものなので、会社間の関係性を良く考えた上で、記念に残る物を贈ります。お渡しする先が個人の時は、相手の家族構成や好みを考えて、喜ばれるものを探しますが、相手を良く知っていればいるほど、悩むことが多くなることも。出来る限り、実際に使ったり食べたりしたことがあって、自分で価値が分かっているものを贈るように心がけていますね。
ビジネスにおける贈り物は、自分と贈り先との関係がどういったものであるかの確認ツール。普段どのようなお付き合いができているかが、ギフトに表れてくると思いますね。
株式会社三菱東京UFJ銀行
ファイナンシャルソリューション部
原海乃さん
初めて仕事でギフト手配をした時、下調べもせず百貨店へ飛び出してしまい、何時間も路頭に迷ったことがあります(笑)。上司に呼び戻され、「ちゃんと記録は見たのか」と。銀行では不正がないよう過去の贈答品はすべて記録に残しているのですが、それすら確認していなかったので危うく前と同じ物を買ってしまうところでした。以来、社内記録や上司の経験をギフト選びにフル活用するようにしています。
また、ある社長への誕生日祝いを手配した時は、先方の部長に相談して好みを探ったことも。「最近日本酒にハマっているらしいよ」と教えていただき、即、酒屋さんへ。その甲斐あって大変喜んでいただき、後日お礼のお電話と一緒に、なんと契約のご相談までいただきました。
かつては「のし」をかけ間違えるなどマナーで失敗したこともありましたが、今ではプライベートでのギフト選びにも役立つ程、贈り物スキルが身につきました。
些細な業務ではありますが、失敗が許されないプレッシャーも大きい。でも、人の喜ぶものを考える仕事なので、普段の金融業務とはまた違った楽しみを感じます!
株式会社榛原
学芸員・広報 中村陽子さん
文化三年より200年以上続く和紙舗で商品開発や広報を担当しておりますので、ギフトには自社の伝統にちなんだものをお選びしています。例えばお世話になっている職人さんのお嬢様がご結婚された際には、夫婦円満を象徴するおしどりの絵柄と、途切れない幸福を表す七宝柄の団扇をセットにしてお贈りしました。日本の伝統柄には必ず意味が込められているので、想いがより伝わり大変喜んでいただけました。企業とコラボして商品開発をすることも多いのですが、伝統柄の便箋などを手土産としてお持ちすることもあります。お渡しする際には、図柄の意味や使い道も必ず添えます。その伝統が、現代の商品開発のヒントにつながれば何よりですね。
ギフトは、私に代わって想いを伝えてくれる分身。そして、贈った相手を介して物自体の意味や良さも広がっていく…ひとつの「メディア」とも言えるかもしれませんね。